Japanese
English
方法と装置
合成代用血管の研究
Studies on Synthetic Vascular Prostheses
和田 達雄
1
,
横田 徳雄
1
,
菱田 泰治
1
,
石田 幸三
1
,
鈴木 昭彥
1
,
丸山 雄二
1
Tatsuo Wada
1
,
Norio Yokota
1
,
Taiji Hishida
1
,
Kozo Ishida
1
,
Akihiko Suzuki
1
,
Yuji Maruyama
1
1東京大学医学部木本外科教室
1Department of Surgery, Tokyo University School of Medicine
pp.1083-1093
発行日 1959年12月15日
Published Date 1959/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200840
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I.はじめに
人工的な物質による血管の移植は,血管の構造が比較的単純な管にすぎず,しかもその組織の再生力が極めて旺盛であるところから,はやくから外科医の研究の対象として取上げられているが1),水道工事のように管の欠損部分を硝子や金属の固型のtubeで置きかえる試みはすべて失敗に帰し,むしろ他人の動脈もしくは他の動物の動脈を用うる方向に進んで,最近10年間に同種動脈片の移植は輝かしい成果を収めている。
しかしながらこれらの同種動脈移植は,決して真の意味の臓器移植といえるものではなく,生きた状態で保存した同種動脈片を用うる必要はなくて,凍結乾燥したり2),アルコール内保存を行つたり3)して死物として保存した動脈片の移植で充分によい成績が得られることが明らかになるに及んで,再び人工的な合成物質による代用血管が脚光をあびるに至つた。
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