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特集 今日の胆道造影
術前胆道造影—DICの効用と限界
The utility and the limit of drip infusion cholangiography
南部 勝司
1
,
浪久 利彦
1
,
今 哲二
2
Masaji NANBU
1
1順天堂大学医学部消化器内科
2函館中央病院内科
pp.681-686
発行日 1977年6月20日
Published Date 1977/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206747
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はじめに
最近の臨床検査には,2つの行き方があるように思う.1つは,予め定められたいくつかの検査を,患者の症状に応じて行なう方法であり,他の1つは,1つ1つの検査の結果から判断して,次に行なう検査を選択してゆく方法である.前者では,医師は,どのセットを選ぶかだけを判断すればよく,医師の能力の差によつて,結果が大きく変わることはないし,データを整理する際にも,一定の基準で雲とめられるという有利さがあるが,診断学本来の考え方には添わない.これに対して,後者は非能率的で,現代のコンピュター時代には適さないし,医師の能力によつても大きく左右されるが,診断学本来の考え方は生かされている.今,ここで,このどららの行き方が良い悪いを論じるつもりはない.しかし,あまりにも技術中心になりがちな最近の傾向に対して,もう少し,1つ1つの検査の意義を考え,結果を十分に判読しうる能力を養つて,余計な検査はできるだけ省き,診断学本来の姿に立戻ろうという行き方があつてもよいのではないかと思う.
このような立場に立つて,DICの効用と限界について,われわれの考えを述べる.
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