Japanese
English
総説
神経疾患におけるMRI検査の効用と限界
Clinical Utility and Limitation of MRI in Neuroradiology
青木 茂樹
1
,
町田 徹
2
,
白水 一郎
2
,
大久保 敏之
2
,
佐々木 泰志
2
Shigeki Aoki
1
,
Tohru Machida
2
,
Ichirou Shirouzu
2
,
Toshiyuki Ohkubo
2
,
Yasushi Sasaki
2
1東京都立駒込病院放射線科
2東京大学医学部放射線医学教室
1Division of Radiology, Tokyo Metropolitan Komagome Hospital
2Department of Radiology, University of Tokyo Hospital
キーワード:
magnetic resonance imaging
,
brain
,
spinal cord
Keyword:
magnetic resonance imaging
,
brain
,
spinal cord
pp.967-977
発行日 1992年11月1日
Published Date 1992/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900399
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I.はじめに
磁気共鳴画像診断装置(Magnetic Resonance Imag—ing,以下MRI)の臨床応用がなされてから10年が経過して,その臨床的有用性と限界が脳脊髄領域ではほぼ明らかとなってきた。日本では現在約2000台のMRIが稼働中といわれ,人口比で米国を既に上回り,CTと同様に絶対数でも追い抜こうというブームである。
MRIの特徴は同じくコンピューターを用いた断層像であるCTと比較するとわかりやすい(表1)。脳脊髄領域でCTと比べ特に優れる点は水素原子の状態により信号を得るために生化学的情報が得られる点,骨のアーチファクトがない点,任意の方向の断面が得られる点と脳灰白質と白質とのコントラストが高い点であり,現在のところ劣っている点としては検査時間の長い点,空間分解能の低い点,石灰化や骨の描出がよくない点である(表1)。またCTとの比較ではないが,MRの高いsensitivityの割には,specificityが低い点も日常臨床でよく経験する。
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