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特集 向精神薬をめぐる最近の諸問題
抗精神病薬の血中濃度—その効用と限界
Blood Level of Anti-psychotic Drugs: Its efficacy and limitation
高橋 良
1
,
吉本 静志
1
Ryo Takahashi
1
,
Seishi Yoshimoto
1
1長崎大学医学部精神神経科
1Dept. of Neuropsychiatry, Nagasaki Univ. School of Medicine
pp.213-219
発行日 1980年2月15日
Published Date 1980/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203066
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I.はじめに
精神分裂病への治療法として,薬物療法は現在,広範に用いられ重要な役割を果たしているが,その薬物の生体内代謝および動態を知り,それを応用することによる薬物療法が,はじめて科学的根拠に基づくものとなるといえよう。したがって近年体液中の薬物濃度の測定が,比較的容易に行なえるようになるにつれ,実際に薬物効果を発揮する体内の薬物の濃度を測定し,それと効果を照らし合わせ,科学的薬物療法の確立に活用する研究が活発に行なわれ注目されている。
本論文では,抗精神病薬の血中濃度測定の効用と限界について,1)血中濃度測定の臨床的意義,2)血中濃度と治療効果,3)血中濃度と副作用,4)治療効果の予測性,5)血中濃度と病態生理について,クロールプロマジン(CPZ)およびハロペリドール(HPL)を中心に述べてみたい。
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