特集 今日の胆道造影
editorial
胆道造影法の進歩
亀田 治男
1
1東京慈恵会医科大学第1内科
pp.678-679
発行日 1977年6月20日
Published Date 1977/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206746
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確実な診断根拠として
胆道疾患の診断に,問診や身体所見・一般検査所見の確実な把握が重要であることはいうまでもない.しかし,現在胆道疾患の検査として,臨床的にもつとも広く応用されており,また確実な診断根拠を与えてくれるのは胆道造影法である.
胆道造影法はすでに53年の長い歴史をもつている.しかし経口法・静脈注射法などの排泄性胆嚢造影法は,胆管病変の造影に限界があり,また黄疸例の診断に有用ではないという大きな欠点を背負つてきた.最近,PTC(経皮経肝胆道造影法),ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影法)などの術式が確立され,普及しつつあるが,これらによつて,閉塞性黄疸例の原因や胆管病変を確実かつ早急に診断して,手術適応を決定し,外科手術に踏み切ることが可能となつた.これは,胆道造影法,さらに胆道疾患の臨床にとつて画期的進歩である.
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