特集 結石除去を極める
膵石 膵石除去時のトラブルシューティング
中瀬 浩二朗
1
,
四宮 遼
,
井上 貴斗
,
酒井 浩明
,
雨宮 可奈
,
萬代 晃一朗
,
鈴木 安曇
,
河村 卓二
,
田中 聖人
,
宇野 耕治
,
安田 健治朗
1京都第二赤十字病院 消化器内科
キーワード:
異物移動
,
砕石術
,
膵管
,
膵炎
,
ステント
,
内視鏡的逆行性胆道膵管造影
,
人工器官機能不全
,
嵌頓
,
膵石
Keyword:
Foreign-Body Migration
,
Lithotripsy
,
Stents
,
Cholangiopancreatography, Endoscopic Retrograde
,
Pancreatitis
,
Prosthesis Failure
,
Pancreatic Ducts
pp.1708-1713
発行日 2019年11月25日
Published Date 2019/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020117104
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本稿では、膵石症に対する内科的治療における実際とトラブルシューティングについて概説する。膵石症に対する内科的治療は、原則として主膵管もしくは副膵管に膵石が存在する有症状例を適応とする。事前に患者に治療のリスクと限界を十分に説明し、同意を得る必要がある。原則として膵管口切開術(EPST)を施行後に、必要があれば膵管ステントを留置したうえで体外衝撃波結石破砕術(ESWL)を行い、十分に破砕したあとに内視鏡的結石除去術を行う。膵石に対する内科的治療において最も留意すべき偶発症は、バスケット嵌頓である。胆管と比較して、(1)膵管が狭いこと、(2)膵石が硬いことから、胆管結石と同じ感覚で治療を行うとバスケット嵌頓のリスクが高くなる。嵌頓を防ぐためにはなるべく細片化し、欲張らずに少しずつ結石を除去する必要がある。バスケット嵌頓を起こした場合は主膵管が広いところまで誘導してバスケットを外すか、緊急でESWLを行い、嵌頓を解除する。結石除去率と安全性を向上させるためには、EPSTやESWLといった手技を最大限併用することが重要である。
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