今月の主題 膵・胆道疾患の臨床
膵疾患診療のポイント・アドバイス
膵石症
細田 四郎
1
,
吉岡 うた子
1
1滋賀医科大学・第2内科
pp.1320-1321
発行日 1989年8月10日
Published Date 1989/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222611
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●臨床的意義
膵石症(慢性石灰化膵炎)は,膵管内に炭酸カルシウム(CaCO3)を主成分とする大小の結石が存在し,かつ膵に種々の程度の慢性炎症像が認められる病態である.膵石症は慢性膵炎の合併症として理解されており,膵石の証明は慢性膵炎の診断基準の一つに取り上げられている.
病因上,アルコール性と非アルコール性に分類できるが,アルコール性のものが多い.慢性膵炎の全国集計1)によると,慢性膵炎の40.1%に石灰化を認めており,石灰化症例の成因別ではアルコールが66.1%を占め,ついで特発性18.6%,胆石性3.1%,その他12.2%であった.また慢性膵炎のうち,アルコール性では49.2%,胆石性では16.3%,特発性では29.7%に膵石を認めている.
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