特集 結石除去を極める
膵石 膵石除去における乳頭処置とその実際
酒井 新
1
,
塩見 英之
,
芦名 茂人
,
田中 俊多
,
山田 恭孝
,
中野 遼太
,
池川 卓哉
,
小林 隆
,
増田 充弘
,
児玉 裕三
1神戸大学 大学院医学研究科内科学講座消化器内科学分野
キーワード:
砕石術
,
内視鏡的逆行性胆道膵管造影
,
胆膵管膨大部
,
バルーン拡張法
,
治療成績
,
膵石
,
副膵管
Keyword:
Ampulla of Vater
,
Lithotripsy
,
Cholangiopancreatography, Endoscopic Retrograde
,
Treatment Outcome
,
Pancreatic Ducts
pp.1694-1699
発行日 2019年11月25日
Published Date 2019/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020117102
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膵石治療の第一選択は体外衝撃波結石破砕術(ESWL)かつ/もしくは内視鏡的逆行性膵胆管造影法(ERCP)による内視鏡治療とされており、薬物治療を含めたこれら内科的治療が不応の場合に最終手段として外科的治療が考慮される。しかし内視鏡治療単独での膵石除去成功率は低く、5mm以下の膵石は内視鏡治療単独の適応であるが、5mm以上の膵石はESWLの適応とされている。膵石の内視鏡治療において、排石時の処置具の容易な挿入や頻回な経乳頭的処置による膵炎を未然に予防するため、乳頭処置が行われる。乳頭処置としては内視鏡的膵管口切開術(EPST)が一般的であるが、出血リスクが高い症例などでは内視鏡的膵管口バルーン拡張術(EPPD)が選択される場合もある。また主乳頭からのアプローチが困難な場合には、内視鏡的副乳頭切開術を行い副膵管からアプローチすることもある。膵石の内視鏡治療に使用するデバイスは、総胆管結石に対する内視鏡治療に使用するデバイスとほとんど共通であるが、膵石に特有の留意点があり、手技に習熟しておく必要がある。
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