JIM臨床画像コレクション
膵石症
斉藤 康洋
1
1国立病院東京医療センター総合診療科
pp.620
発行日 1998年7月15日
Published Date 1998/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902512
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腹部のX線単純写真は基本的に,ガス・脂肪・軟部陰影・石灰化の4種類の異なった濃度の識別からなり,実質臓器や腸管壁の状態まで把握するのは困難である.そのため,単純写真のみで診断のつく疾患は限られており,イレウス,消化管穿孔,異常石灰化(結石,腫瘍,嚢胞,炎症など)などが挙げられよう.
今回は,腹部の石灰化でも比較的典型的と思われる膵石を示した.膵石は膵管内(主膵管または膵管分枝)に形成される結石で,種々の疾患において認められるが,この写真はその中で最も多いとされる慢性アルコール性膵炎によるもので,その約50%で膵石が認められるとされている.
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