Japanese
English
臨床報告
盲腸に発生した非特異性単純性潰瘍の1例
A case of simple, nonspecific ulcer of the caecum
加辺 純雄
1
,
大森 幸夫
1
,
中野 喜久男
1
,
水野 幸一
2
,
田中 昇
3
Sumio KANABE
1
1千葉県がんセンター消化器科
2千葉県がんセンター放射線診断部
3千葉県がんセンター研究所病理部
pp.763-767
発行日 1975年6月20日
Published Date 1975/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206271
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はじめに
大腸には,さまざまの疾患を背景として非特異性潰瘍が発生する.それらの中で非特異性単純性大腸潰瘍については,潰瘍性大腸炎や大腸Crohn氏病と比較して,なお概念の混乱があり,まだ検討の段階にある多くの問題点を抱えている.すなわち,この非特異性単純性大腸潰瘍は1830年Cruveilhierによつて,"simple ulcer"と名づけられて以来,欧米では幾つかの総説,症例報告1-3)9)等がみられるが,わが国での報告は比較的少ない現況にある(付表).
最近,著者等は,盲腸部に発生し手術により治癒せしめ得た単純性大腸潰瘍の1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
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