Japanese
English
特集 閉塞性黄疸
閉塞性黄疸を伴う肝内胆石の治療
Treatment of hepatolithiasis with obstructive jaundice
久次 武晴
1
,
五十君 裕玄
1
Takeharu HISATSUGU
1
,
Hirotsune IGIMI
1
1九州大学医学部第1外科
pp.297-303
発行日 1975年3月20日
Published Date 1975/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206203
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はじめに
日本人胆石の特徴としてビリルビン(以下「ビ」と略)系石が多いことは古く三宅速が指摘したところである.その原因としては欧米人に比して日本人は脂肪摂取量が少ないことがあげられたが,最近日本人の胆石もコレステロール(以下「コ」と略)系石が次第に増加の傾向にある.「コ」系石は主に胆嚢内にみられ,「ビ」系石は主に総胆管,総肝管,肝内胆管内原発の結石にみられる.黄疸の発現頻度は胆石の種類,胆石の部位によつて異なり,「ビ」系石は「コ」系石に比し一般に黄疸発現率は高いとされ,肝内胆石や総胆管内胆石では肝障害の程度も重篤で黄疸発現の頻度も高い.
胆石症黄疸の消長は多くは一過性であり疼痛発作の数日後に発現し,2週間,長くて3週間位で消褪する.しかし時には結石が総胆管に完全に嵌頓すると,恰も悪性黄疸の如く黄疸指数は100を越え,その鑑別が困難なことがある.教室の胆石症例中黄疸指数50以上200におよぶ高度黄疸を伴う胆石症,特に肝内胆石症に検討を加え,いささか知見を得たので報告する.
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