Japanese
English
特集 痔核と痔瘻の外科
痔瘻治療のポイント
痔瘻手術における括約筋切断の問題
Problems of the analsphincterotomy on the surgical operation of fistula-in-ano
隅越 幸男
1
Yukio SUMIKOSHI
1
1社会保険中央病院肛門病センター
pp.885-891
発行日 1974年7月20日
Published Date 1974/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206075
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
痔瘻の手術の基本は,その原発口をふくめて二次口まで瘻管を完全に切開し,開放することである.この際,瘻管は一般に括約筋を貫通しているために,瘻管の全開放によつて種々の程度に括約筋は切断されることになる.
括約筋の切断は痔瘻の手術に際して常に随伴するものであるが,瘻管の貫通する部位,深さによつてそれらの切断が肛門機能に影響を与えるかどうかが決つてくる.また括約筋の切断が痔瘻の治癒の上から必ずしも必要でない場合,あるいは複雑痔瘻で肛門から二次口が遠く離れている場合,全瘻管の開放によつて,無意味な肛門管周辺の筋肉組織を傷つけることは,肛門の変形,変位をきたすばかりでなく,肛門機能障害もきたすことになるので,慎重を期すべきである.
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.