特集 肛門疾患診療の実際—私の方法と根拠
設問
Ⅳ.痔瘻手術について
衣笠 昭
1
,
竹馬 浩
2
,
升森 茂樹
3
,
高野 正博
4
,
住江 正治
5
,
隅越 幸男
6
,
岩垂 純一
6
1松島病院
2チクバ外科胃腸科肛門科病院
3野垣病院
4大腸肛門病センター高野病院
5水前寺大腸肛門科医院
6社会保険中央総合病院大腸肛門病センター
pp.888-902
発行日 1992年7月20日
Published Date 1992/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900845
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痔瘻は歯状線の肛門陰窩から細菌が侵入し,それに続く肛門腺に感染が生じて発生する.つまり内外括約筋間に初発感染巣が生じ,この感染巣を中心として様々な方向に炎症が波及し,膿瘍が形成される.そして,膿瘍が自壊するか切開されるかして排膿され,生じた肛門管と交通のある管が痔瘻である.
痔瘻が形成されると,細菌の侵入した肛門陰窩は原発口として存続し,汚物の侵入口となる.筋間に生じた肛門腺の感染巣は筋間に膿瘍腔を形成して細菌の培地の用をなし(原発巣),それに枝である瘻管が続き,出口が二次口となる.
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