Japanese
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特集 痔核と痔瘻の外科
裂肛の新しい手術
New technique for anal fissure
脇坂 順一
1
,
山内 胖
1
,
磯本 浩晴
1
Jun-ichi WAKISAKA
1
1久留米大学医学部第1外科
pp.893-900
発行日 1974年7月20日
Published Date 1974/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206076
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はじめに
一般に,裂肛anal fissure,fissure-in-ano,fissura aniは主に肛門上皮の機械的な損傷によつて生じた,表在性で新鮮な創を有する急性期のもの,急性期を過ぎ細菌感染を繰返して潜蝕し,しかもその裂肛が深く線維化や硬結がある慢性期のもので,肛門潰瘍と同一視されるもの,また,肛門掻痒症を伴い肛門皮膚周囲の放射線状の亀裂を作る肛門周囲裂創に分けられる.急性裂肛および肛門周囲裂創は主として保存的治療が主体で,手術療法の対象とはならないことが多いが,慢性裂肛は疼痛,出血,便通障害を伴いながら,その病勢の過程で肥大乳頭(fibrous polyp),皮垂(skin tag),肛門狭窄,膿瘍等を生じつつ進行する.それだけに手術療法の占める位置も大きいといえる.本稿では本症の発生要因,特徴について論じ,さらに最近の手術療法の特徴について述べてみたい.
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