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特集 胸部食道癌の外科
食道癌手術における再建術式とその選び方
小腸による食道癌切除後再建術
Reconstruction with a pedicled jejunal loop after resection of esophageal carcinoma
葛西 森夫
1
,
森 昌造
1
Morio KASAI
1
1東北大学医学部第2外科
pp.761-764
発行日 1974年6月20日
Published Date 1974/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206059
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はじめに
従来手術直接死亡が高率であつた胸部食道癌手術も,近年その安全性が高まり,各施設での直接死亡率も10%以下におさえられるようになつた.それに伴い,耐術者の遠隔成績,特に術後愁訴,社会復帰に対する配慮を必要とする段階に至つている.教室では桂,石川が術後逆流性食道炎予防術式として,1956年に,部分切除によつて生じた胸部食道欠損部を,有茎空腸移植によつて再建する術式を行なつたが1)2),その後,葛西は頸部食道再建へと適応を拡大すると共に3,4),従来の方法に改良を加え現在に至つている.
1956年以降1973年7月までの,胸部食道癌に対して施行した有茎空腸による食道再建例は134例であり(第1表),食道噴門間有茎空腸移植79例,一期的食道残胃間有茎空腸移植11例,分割手術の二次手術に際し,胸骨後経路で頸部食道胃間有茎空腸移植を行なつたもの28例,また切除不能例に対しての,胸骨後経路による頸部食道・胃間有茎空腸移植によるバイパス手術16例である.
今回はこのうち,噴門を温存する食道噴門間有茎空腸移植術を中心に,その手術手技,手術成績,特徴などについて,他術式との比較を加え説明したい.
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