Japanese
English
症例
破傷風の2治験例
Two curative cases of tetanus
中尾 実
1
,
竹内 隆
1
,
小酒 浩
1
,
谷田 秀
1
,
牧原 司幸
1
Minoru NAKAO
1
1鳥取大学医学部第1外科
pp.1605-1610
発行日 1973年11月20日
Published Date 1973/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205927
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はじめに
最近では外科的特異感染症である破傷風(tetanus)を経験する機会が少ない.とくに大学病院などでは,その感が強く,本症に対する知識がうすれつつある.しかし,早期診断・早期治療がもつとも予後を左右する本症に対して,私達は常に本症に対する知識を備えていなければならない.破傷風治療の主体をなす抗毒素血清にしても,常にanaphylactic shockやserum diseaseの併発を恐れていたウマ血清使用の時代から,今日では副作用のほとんどみられない破傷風人免疫血清globulin(Tetanobulin)が現われ,その効果も次第に実証されつつある.すでに英国では,ウマ血清が製造中止され,人免疫血清globulinのみにかかわりつつあるという19).
最近,私達は2例の破傷風患者を経験し,破傷風人免疫血清globulinを大量に使用して完治せしめたので,本症の概要を述べてみたい.
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