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特集 術後ドレナージの実際
急性膵炎手術後のドレナージ
Indication of drainage for acute pancreatitis
広野 禎介
1
,
村田 勇
1
Teisuke HIRONO
1
1富山県立中央病院第1外科
pp.517-521
発行日 1973年4月20日
Published Date 1973/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205788
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はじめに
急性膵炎の治療として,古くは,膵全剔,または部分切除,膵壊死巣の掻爬,sphincterotomyなど,積極的手術療法が行なわれてきたが12)14)18),本症の病態生理が解明されるにつれ,あるいは手術による死亡率が高いことなどの理由により,現在では,内科的保存療法を可とするものが圧倒的に多い16)20).しかし,最近になり,ふたたび急性膵炎に対する外科的手術療法の意義が再検討されつつある.すなわち,本症の診断は,現在もつとも信頼すべき臨床検査法であるアミラーゼ値の測定をもつてしても,しばしば困難なる場合が多い上に,急性膵炎ともつとも鑑別を要する胃・十二指腸潰穿孔など緊急手術を必要とする上腹部急性腹症との誤診を防ぎ,確定診断をうるために早期開腹の必要性を強調する報告も散見される6)9)15).
とくに,最近における麻酔,および外科手術の進歩と,トラジロールなど強力なる薬物療法の開発により,本症の手術による死亡率は著しく低下しており11),Zimbergは,術前後の管理と治療を慎重に行なえば,激症膵炎においても,早期開腹による死亡率はわずか5%にすぎないと述べている21)。
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