Japanese
English
特集 術後ドレナージの実際
直腸手術とドレナージ
Pelvic drainage after rectal operation
北条 慶一
1
Keiichi HOJO
1
1国立がんセンター外科
pp.523-527
発行日 1973年4月20日
Published Date 1973/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205789
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
ドレナージの目的は,術後の創部の滲出液,"oozing"などの出血等の貯留を排除して,手術創の治癒が妨げられないようにすることである.さらにまた,術後起こりうるかも知れない縫合不全,局所感染に備えて,汚染を体外へ誘導し,周辺への拡散を防ぐための予防的安全弁として行なわれる.とくに,汚染の可能性の大きく,また骨盤腔という解剖学的特性から,創傷の1次的治癒を失すると会陰部の創の治癒は一段と長期間を要する直腸の手術においては適切なドレナージは必須である.
しかし,また反対にドレナージが意図した如くに機能をみず,少なくなからぬ困難に遭遇することもしばしばといえよう.このような失敗の原因はいろいろ反省される.ドレーンのおく場所と,その方法,たとえば適切な位置におかれてもその取扱い使用方法によつて十分機能を得ないためである.ドレーンの方法に関して,近年いろいろ工夫がなされているが,成書での記載は乏しく,各術者の経験に基づいて各流儀で行なわれているのが現況といえよう.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.