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特集 術後ドレナージの実際
虫垂炎手術後のドレナージ
Postappendectomy drainage
中村 卓次
1
,
原田 哲夫
2
Takuji NAKAMURA
1
1群馬大学医学部第1外科
2原町日赤病院外科
pp.505-509
発行日 1973年4月20日
Published Date 1973/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205786
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はじめに
急性虫垂炎に対する早期手術が一般に認められ広く普及するにいたつてから長期間を経過したが,現在でもなお虫垂が穿孔して膿瘍を形成したり,汎発性腹膜炎を起こしてから病院を訪れる症例が少数ながら後をたたない。大槻(1938)12)は穿孔性虫垂炎による急性化膿性腹膜炎の治療としてドレナージよりも一次閉鎖の方が治療日数を短縮し,術後合併症も減少せしめると主張し,その一派で現在でもなるべくドレーンを入れないで一次閉鎖法によつて治療する方針をとつている外科医者が少なくない.しかし,いかなる急性化膿性腹膜炎においてもドレーンなしに一次的に閉鎖していいというわけではない.そこで本稿では急性虫垂炎手術における限局性ないしは汎発性化膿性腹膜炎の頻度やそれに対する治療方法などにつき欧米ならびに本邦における文献的考察を行なうとともに原町日赤病院における虫垂炎の治療方針ならびに治療成績を統計的に観察し,ドレーンの適用ないしはその挿入,誘導方法等につき考察を加える.
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