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特集 術後ドレナージの実際
縦隔手術後のドレナージ
Postoperative drainage of mediastinal operation
吉村 敬三
1
Keizo YOSHIMURA
1
1東京大学医学部胸部外科
pp.481-486
発行日 1973年4月20日
Published Date 1973/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205782
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はじめに
最近の麻酔ならびに手術手技等の進歩に伴つて,従来容易に到達しえなかつた縦隔領域にまで,手術侵襲が可能となり,しかも安全に行ないうるようになつた事は周知の通りである。たとえば,縦隔疾患をとり扱つた本邦各施設の集計をみると,腫瘍のみであるが,1955年に72例,1964年932例,1971年3,952例とその症例数が飛躍的に増加しており5)8),すでに縦隔手術は臨床の日常化している傾向がつよい.一方疾患の内容もかなりその種類が殖え,かつ複雑多様化している点で,手術術式ならびに術後管理が重要なpointとなりつつある.
本稿の主題は術後のドレナージという事であるので,著者は縦隔手術後の主としてドレナージを中心にした術後管理について述べてみたい.なお本問題を理解するためには当然縦隔の外科的局所解剖と手術術式ならびに適応について知悉する必要があるのでまず簡単にふれることとする.
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