読者から
「楓の黄葉」に対する疑問
角本 陽一郎
1
1Department of Surgery Ohio State University
pp.548
発行日 1972年4月20日
Published Date 1972/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205590
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臨床外科の1971年3月,4月号に掲載された渋沢先生(国立王子病院副院長)の文学的な『海外だより—楓の黄葉(1)(2)』を拝見して,同じく「海外だより(2月号)」の筆者として,また邦人究研者として働いている1人として,疑問の点がありますので,誌上を借りて述べてみたいと思います.
もちろん,渋沢先生は実に多忙な日程のなかで貴重な時間を割いて,日本人研究者に多数会われてからのご結論をだされたことと思いますが,まず『……米国医学にはもはや学ぶものなし等とうそぶいて帰国するものや,国内の学園紛争をのがれて来米しているものは,いくらヒイキ目にみても7〜8割は真剣に研究をしていない.同情的にいえば,それは研究したいのだろうが,会話,語学のハンディキャップに屈してしまつたのだろう。』と書かれておられるが『真剣に研究していない』全ての研究者についての客観的なData—研究業績に対する—をお持ちの上で非難なさつているのか,もしそうでなければ,これは黙々と研究に従事している多くの真面目な日本人研究者に対する名誉毀損でしよう.
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