Japanese
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外科の焦点
そけいヘルニア手術の合併症
Accidents of inguinal hernia repair
村上 治朗
1
Jiro MURAKAMI
1
1村上病院
pp.153-158
発行日 1972年2月20日
Published Date 1972/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205538
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はじめに
私の外科臨床40年の間に,そけいヘルニア手術は,乳児ヘルニア手術手技の実際,成人における術式の改善,そけい部正常ならびに病的局所解剖学の解明,麻酔,テフロンメッシュなど補修材料,抗生剤,術前術後管理などの著しい進歩によつて,その合併症発生も著しくすくなくなつた.しかし,今日わが国で実際に行なわれているその手術には,依然として手術死,感染,不妊症,再発などの合併症が見聞せられる.その合併症はほとんど報告せられないので,統計的に挙げることはできないが,それが意外に多いことが,この1年間の私の病院で外来患者全部について行なわれたヘルニアに関する調査で推定することができた.再発している患者の多くは自分の再発を初めの手術医に報告せず,また再手術をうける意志もない.睾丸萎縮も意外にある.感染経過は日常茶飯事である.
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