カラーグラフ 臨床病理シリーズ・1
甲状腺癌Ⅰ
原田 種一
1
,
西川 義彦
1
,
伊藤 国彦
1
1伊藤病院外科
pp.150-151
発行日 1972年2月20日
Published Date 1972/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205537
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甲状腺癌は,腺癌と未分化癌(本章では便宜上肉腫を含む)では,まったく予後が異なり,そのために,手術術式や,術後治療にも大きな差があるので,他の臓器の癌の場合と異なり,術前,あるいは術中に,腫瘍が良性か悪性かを診断するだけでなく,悪性と診断した場合,さらに腺癌か,未分化癌かを,肉眼的に鑑別できることが望ましい.それには甲状腺癌の約80%を占める,乳頭腺癌の概念を把握しておくと非常に便利であるので,乳頭腺癌を中心に述べたい.第1図から第4図は,30歳女子で,4年前から頸部腫瘤に気付き,頸部リンパ腺結核として処置された症例であり,第5図から第8図は,乳頭腺癌と,他の腫瘍との割面を比較したものである.
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