Japanese
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特集 胃癌根治手術の問題点
Ⅱ.胃癌拡大根治手術の限界について
S1以上の症例に対する拡大根治手術R3はどのような意味をもつか?
Prognostic value of extensive radical operation (R3) for gastric cancer with serosal invasion
田中 早苗
1
,
岡島 邦雄
1
,
藤井 康宏
1
,
中川 潤
1
,
河合 達
1
,
曾我部 興一
1
,
竹下 篤範
1
,
荒木 京二郎
1
,
戸谷 完二
1
,
寺田 紘一
1
,
石川 純
1
Sanae TANAKA
1
1岡山大学医学部第1外科教室
pp.1863-1867
発行日 1971年12月20日
Published Date 1971/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205495
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緒言
このテーマの出題の意図は,漿膜侵襲のある進行胃癌にたいし,R3という手術侵襲の強い拡大根治手術(広範リンパ節郭清)を行なつた場合その限界があるならば,胃癌の予後を左右する因子であるn-factor(リンパ節転移程度)とs-factor(胃壁内深達度)のどちらが強い影響をおよぼすか,また,漿膜侵襲のすでにある胃癌に手術侵襲の大きな拡大根治手術を行なつても効果があるかどうかを検討してみようという意図であろうと解釈してこれらのことについて述べてみたい.
まず,n-factor,s-factorの根本を考えてみると,胃癌の手術を行なうに際して外科医はリンパ節郭清を,第3群リンパ節の範囲まで行なうことはできるが,漿膜侵襲はすでに決められたものであつて,外科医が変えることのできないものである.この外科医の力がおよびうるn-factorと,いかんとも変えがたいs-factorの2つを治癒切除という範囲内でその予後を比較してみると,各段階における5年生存率の傾斜は壁深達度因子の方が急峻である(第1,2図).
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