機器・薬剤紹介
70.ビジョンスクリーナーS12R
赤井田 あかね
1
1福島県立医科大学眼科学講座
pp.1433-1437
発行日 2023年12月5日
Published Date 2023/12/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003439
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近年,簡便で検査時間が短いフォトスクリーナーが乳幼児健診の現場や小児科の診療施設で多く用いられるようになってきた。フォトスクリーナーは,屈折異常と眼位異常のスクリーニング用に開発されたフォトレフラクターである。検査距離が1mであるため,通常のオートレフラクトメータよりも調節の介入が少なく,両眼の屈折値を同時に測定することができる。特に3歳児健康診査視覚検査(以下,3歳児健診)で屈折検査を併用することは,外見では発見できない屈折異常に起因する弱視(不同視弱視,屈折異常弱視)の早期発見のために有用である1)~3)。自動判定機能が設定されている機種が,眼科スタッフが参画しない乳幼児健診の現場で役立っている。3歳児健診での屈折検査導入が推奨され,令和4年度から始まった「母子保健対策強化事業」で各自治体が屈折検査機器を購入する際に半額が補助されることになった。その結果,屈折検査を導入する自治体が増加したもののまだ導入率が100%には至っておらず,早期に全自治体で実施されることが望まれている。本稿では自動判定機能がついたフォトスクリーナーであるビジョンスクリーナーS12Rについて紹介する。
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