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血友病の脳内血腫,他
pp.959
発行日 1971年6月20日
Published Date 1971/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205381
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血友症の外科は急速に進歩し,前々号でもⅧ因子の効果を紹介した.ここではFriedman(JAMA 215:791,1971)の症例をつたえたい.50歳白人男,血友病で出血傾向大なることが判つていた.いうまでもなくsex-lin-kedの劣性遺伝.44 h前頭部につよい連続性頭痛ありDec.4入院,左半麻痺,本人はかつて胃大出血で胃切をうけて成功,頭皮の悪性メラノーマ摘除に成功している.来院時lethargic,左homonymous hemianopia.血液諸検査,AHFは35%,AHF投与後60%,5日AHF 54%,Ⅸ因子143%,出血時間,凝固時間,th-rombopl.time等はAHF投与で回復する.high po-tency AHF 1608 u静注,45時間後右carotid angio,合併症なし.右前頭葉にblood less areaあり,high potency AHF 4824 u(計)注後右前頭を開いた.出血量25 cc.前頭葉medial post portionから直径6cm大の血腫発見除去,その後2日に1回AHF注,10日間,合併症なく34日後退院,左麻庫はminimum.AHFが使われるようになつてから,症例報告は少ないが,血友病者の救命頻度は著しく改善した.
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