Japanese
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特集 腫瘍の病理と臨床
論説と症例
精神運動発作型癩癇を伴つたCompact psammomaの1例
A case of compact psammoma with psychomotor epilesy
若林 信生
1
,
青木 秀夫
2
,
東 健一郎
2
Nobuo WAKABAYASHI
1
1山口大学医学部外科学教室
2小倉記念病院脳神経外科
pp.940-944
発行日 1970年7月20日
Published Date 1970/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205142
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脳腫瘍で癲癇性痙攣発作を伴うものは比較的多く,特に髄膜腫,星状神経膠細胞腫等発育の緩徐な腫瘍に往々見られる.また,これらの腫瘍は主として25歳以上から中年にかけて多くみられるものである.すなわち,これを逆に見れば,晩発性癲癇では必らず脳腫瘍を疑うべきで,教室の波多野の調査によると,教室で診療を行なっだ晩発性癲癇の約1/2近い症例において,脳腫瘍が発見されている.従つて,このような患者を診れば必らず脳腫瘍を念頭に置いて検査を行なうべきである.その場合,最もroutineに行なわれる検査法の一っとして,頭部レ線撮影がある.
Holt7)によれば,頭蓋単純X写で脳腫瘍の18%は,その局在が診断できるという.この場合,頭蓋内病的石灰沈着の発見が有力な手がかりとなる,脳腫瘍でレ線学的に石灰沈着を認めるものは多く,その代表的なものとしては髄膜腫,頭蓋咽頭腫,神経膠細胞腫等があげられる.このうち神経膠細胞腫は脳腫瘍の約40%を占めるが,顕微鏡学的な石灰沈着はその1/3にのぼるといわれている19).しかし臨床上レ線写真で石灰沈着が発見されるものは約1096といわれている15).また,同じく神経膠細胞腫でも,その種類により石灰化の発見頻度を異にしており,稀突起性膠細胞腫では50%,星状膠細胞腫では20〜25%となつている17).
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