Japanese
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特集 腫瘍の病理と臨床
論説と症例
左側内包付近に原発し感覚性失語症を呈した異所性のう胞性松果体腫の1手術例
Ectopic cystic plnealoma originated around the left inner capsule with sensory aphasia
古和田 正悦
1
,
田中 輝彦
1
,
三浦 玄太郎
1
Masayoshi KOWADA
1
1東北大学医学部第二外科教室
pp.945-952
発行日 1970年7月20日
Published Date 1970/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205143
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鈴木等による本邦の集計1)によれば,異所性松果体腫は,松果体腫瘍の約10.7%を占めるといわれるが,その大半は脳室壁をビマン性に浸潤するものや,第3脳室底を中心に視神経交叉部,漏斗部や視床下部に拡がつたものであり,大脳皮質内や視床に限局して見出された例は極めて少数である.最近われわれは,右片麻痺を初発症状とし,約3年後に脳圧亢進症状と感覚性失語症が出現し,開頭手術で左側内包に原発し,主として外側に向かつて発育した異所性のう胞性松果体腫と判明した症例を経験したので,本邦における昭和20年以降に報告された異所性松果体腫,特にのう胞を形成した症例の文献を捗覧し報告する.
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