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特集 手術と出血対策Ⅱ
胆嚢手術における出血対策
Managerment of bleeding during gallbladder surgery
佐藤 寿雄
1
,
三条 忠夫
1
,
鈴木 範美
1
,
松代 隆
1
Toshio SATO
1
1東北大学医学部第一外科教室
pp.325-328
発行日 1970年3月20日
Published Date 1970/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205052
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まえがき
今日,胆道の手術とくに胆嚢の手術は,腹部内臓外科領域において最も普遍的に行なわれている手術の1つである,しかしながら肝胆道系は解剖学的に複雑で,かなり異常が見られる領域だけにその手術操作中に偶発事故や技術的な過誤を招く危険性が十分にある.従つて,手術を安全に行なうためには胆道系の解剖学的関係を理解し,ことに胆嚢管や胆嚢動脈ならびに肝動脈の走行異常の存在を十分念頭に置くことが大切である.
さて,今回は胆嚢手術操作中における副損傷,とくに出血に対する対策について述べてみることにする.胆嚢手術における出血対策と云うと特殊の場合を除けば,まず出血をおこさせないような安全な手術手技の選択であり,また万一出血した場合の止血対策ということになる.以下,主として胆嚢剔出術を中心に手術手技上の"コツ"を述べ,また自験例をもとに出血した場合の対策について述べてみる.
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