Japanese
English
特集 脈管造影
心臓血管造影法
Angiocardiography
今野 草二
1
,
中島 一己
1
,
遠藤 真弘
1
Sôji KONNO
1
1東京女子医科大学日本心臓血圧研究所
pp.1301-1312
発行日 1968年8月20日
Published Date 1968/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204669
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はじめに
心臓血管造影写真を撮ると,心臓や大血管の形態が明らかになることはもとより,血行動態の概略も知ることができるので,心臓外科にとつては最も大切な検査法のひとつである.血管心臓造影法あるいは選択的血管心臓造影法の適応として従来主に右左短絡疾患が考えられてきたが,その適応もさらに広範囲に拡大されている.すなわち臨床所見,レ線像,心電図で診断の確定しがたい症例および手術を対象として,より詳細な解剖的ならびに血行動態的所見を得ようとする症例には,心カテーテル検査と同時に選択的血管心臓造影法を行なうことが多くなつた.しかもその造影法も種々の体位をとらせ,心臓内のカテーテルの位置を種々にかえて行なつて病変を立体的に把握すべきであるが,しかしそれもなるべく少ない回数で最も効果的な造影像をうる必要があろう.それには造影法を施行する症例につき予想されるべき疾患の病態を熟知し,その解剖関係と血行動態とにより患者の体位と心臓内のカテーテルの位置とを適当に選択して行なう必要がある.
ここでは諸種の心疾患に関して血管心臓造影法あるいは選択的血管心臓造影法の適応と造影法施行時の患者の体位,心カテーテル先端の位置につきわれわれの日常思考し,実施しているところを記述して参考に供したい.
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