Japanese
English
特集 木本誠二教授退官記念特集
遠隔成績よりみた末梢動脈再建術の検討
Late results of peripheral arterial reconstruction
上野 明
1
,
丸山 雄二
1
,
粟根 康行
1
,
村上 国男
1
,
関 正威
1
,
根本 〓
1
,
多田 祐輔
1
,
向山 昭吉
1
Akira UENO
1
1東京大学医学部第2外科教室
pp.929-938
発行日 1968年6月10日
Published Date 1968/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204618
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
身体の動脈が外傷,あるいは破裂,または閉塞を来すような状態において,これを吻合や縫合し,あるいは移植片をおいてこれを補う試みは今世紀の初頭,Carrel,Guthrie等をはじめとする多数の研究者によつて実験的な解決はえられていたが,これが血管外科として広く臨床応用されるようになつたのは近年のことである1).
わが国においても,戦後まもない昭和24年8月に木本教授(当時は第二外科助教授)が73歳の塞栓症の患者に上腸間膜動脈,大腿動脈の塞栓別除術が行なわれたが2),臨床において動脈の再建が現在各方面で広く行なわれていることを考えればこの十数年は,非常な目覚ましい進歩と普及があつたといえる.欧米でも本稿で取扱う末梢動脈の遠隔成績はここ数年出揃つてきた感があり3-6),9-11),当教室でも欧米と較べ症例数は少ないながらも,それでもこの進歩と発展の中にあった各症例のその後の経過を報告し,この末梢の動脈再建法について謙虚に反省すると共に,より新しい,よりすぐれた方法をこの血行再建分野にとり入れる指針にしたいと思う.
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.