Japanese
English
症例
尿性腹膜炎
Urine peritonitis report of six cases
森岡 恭彦
1
,
金子 信俊
1
,
菱本 久美郎
1
,
額田 克海
1
,
間中 純也
1
Yasuhiko MORIOKA
1
1東京大学医学部第1外科
pp.419-425
発行日 1968年3月20日
Published Date 1968/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204551
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はじめに
尿路系とくに膀胱の損傷で尿が腹腔内に漏出すると,いわゆる尿性腹膜炎となる.尿性腹膜炎は比較的まれな疾患とされているが,救急症例としてときに一般外科医によつても経験されることがあり,とくにその診断に苦しむことがある.著者らは,最近までに6例の尿性腹膜炎を経験したのでとくに一般外科医の立場より,本疾患の診断上の問題点について言及したいと思う.
尿路系の損傷でしかも腹膜に損傷が併存すると,尿が尿路外へ漏出し,さらに腹腔内に貯溜し尿性腹膜炎の状態となる.これは膀胱損傷で起こることが多いが,尿管・腎盂などの損傷でもきわめてまれにおこることがある.ここではおもに膀胱損傷について述べる.
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