綜説
所謂蛋白尿性網膜炎と高血壓症
中泉 行正
pp.221-223
発行日 1952年3月15日
Published Date 1952/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201096
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近時戰後の外國文献によると内科的方面でも,高血壓症等に大部變化進歩があり眼科に於ても獨文眼科書には戰前と異なる記載がされている樣である。即ち戰前では,蛋白尿性綱膜炎は大體萎縮腎の際に起ると云われ,原發性萎縮腎だの續發性萎縮腎だのと盛んに云われ高血膝の最大の原因は腎疾患であるかの如く云われて居た。眼科に於ても此の網膜疾患は,蛋白尿性網膜炎とか腎炎性網膜炎とか時には,腎性網膜炎とか云われて腎臓との關係が云われて,高血壓との關係はむしろ云われなかつたのであつた。
戰後始めて發行されたAmsler氏の獨文眼科書によると,從來の網膜血管硬化症等をFundushypertonicusと書きNetzhaut bei malignerHypertonic : Retinopathia hypertonicaと書かれたものが以前の蛋白尿性網膜炎である。それでRetinitio albuminuricrの章は全然見當らない事になつて居る。この本は戰後(1948年)第1版が出來たので總てが戰後流になつているらしい。
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