海外だより
Tufts-New England Medical Centerを中心として
田辺 達三
1
1北海道大学医学部杉江外科
pp.262-263
発行日 1967年2月20日
Published Date 1967/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204240
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私に限らず,今日,日進月歩の著しい外科領域,特に心臓血管領域の診療研究に当つている者には,欧米から報告される数多くの研究に接し,むしろ時には戸惑いに似た情勢を感ずるのであるが.これらの個々の問題点を明白にし,各疾患に対する治療体系の綜括的判断を誤らずに,しかもわが国の医療現状に沿つた胸部外科の着実な発展を考えるならば,その1つの方法として諸外国の施設の実情を見聞し,多くの研究の背景を確め,その流れの本筋を手取り早く把握し,また彼我の相違を比較検討してみたい魅感に似た感慨をもっことが多いと考える.今日では,渡米することは比較的容易で,多くの人々により米国医学の現況が紹介され,われわれもそれを身近く感ずることができる.私自身もボストン市Tufts-New England Medical Centerの外科主任Deterling教授のもとで若干の経験をつんできたので,それを述べてみたい.
ボストン市には有名なHarvard大学,Boston大学に医学部があるが,Tufts大学は郊外のMedfordに美しいcampusをもつ他学部を除いて,医学部およびその附属医療施設を一括したTufts-New England MedicalCenterのみはボストン市の下町にあり,古くボストン大火の際にその起源をもつFloating Hospital,Pratt Diagnostic Clinic,Farnworth Surgical Bldg., BostonDispensaryおよびZiskind Lab.などよりなる.
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