外国文献
中心静脈圧,他
pp.264-267
発行日 1967年2月20日
Published Date 1967/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204241
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中心静脈圧(CVP)はhypovolemia治療の好個の指針で,それが正常域上限まで輸血するのが望ましいという意見が多い(例Borrow, M.:SGO 120:545,1965).循環量を測定するよりも,このほうが確実で早いというのであり,事実そういうことが多いが,CVPの上下と循環量変化とを同時にしらべた報告は,少くとも人体のショックではほとんどない.また,CVPは心内への血液還流が減れば低下し,心収縮性が衰えれば上昇するが呼吸の深さ,早さの影響を受け,腹部膨満,血液粘稠度の影響をも受ける.Friedman(Lancet 2:609,1966)の14例ではCVP正常域(2〜10 cmH2O)でありながら循環量は14〜35%減少していたという.したがつて敗血症ショックのごときでは,CVPをあまり過信できない.Volemetron(筆者は本邦でもこの開発の重要性を数年来強調しているが当局の認識を未だに得ていない)で頻回に確実に早く,循環量をCVPと同時に測定するのがもつとも正しいショックの補液指針であるという事実をFriedmanは典型的な6例について示している.
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