Japanese
English
特集 臨床検査後の偶発症
腹腔鏡による偶発症
Complications of peritoneoscopy
吉岡 昭正
1
,
荒牧 長門
1
,
沢田 芳博
1
,
清水 昭彦
1
Akimasa YOSHIOKA
1
1順天堂大学第2内科
pp.183-187
発行日 1967年2月20日
Published Date 1967/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204226
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はじめに
近時,腹腔鏡検査症例数の増加にしたがって,同時に発生する偶発症の問題も無視しえなくなつてきた.1963年山川のおこなつた全国集計によると,腹腔鏡検査3,319例中の事故例は39例1.17%を占め,その内訳は皮下気腫15例,縦隔気腫8例,動静脈栓塞6例,循環不全5例,胃腸損傷5例であつたと報告している.また1966年,有賀は第8回日本内視鏡学会総会において検査による偶発事故あるいは副作用の件数およびその頻度に言及し,腹腔鏡検査による偶発事故あるいは副作用の頻度は11,130例中21例0.189%と推定しており,これは各種内視鏡検査法のうちでも最高の事故率と報告した.われわれの経験によると腹腔鏡検査法は熟練した術者によつて行なわれるならば,安全かつ確実な検査法であり,えられる所見もきわめて重要であるが,一応腹腔内で各種の操作を行なうことは常に偶発症発生に対する深い注意と,その対策に十分な用意を必要とすることを痛感しているしだいである.
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