Japanese
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特集 臨床検査後の偶発症
気管支鏡による偶発症
Accidents resulting from bronchoscopic examination
香月 秀雄
1
,
山口 豊
1
Hideo KATSUKI
1
1千葉大学医学部肺癌研究所
pp.177-182
発行日 1967年2月20日
Published Date 1967/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204225
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はじめに
わが国で気管支鏡の使用目的が気管,気管支内異物,気管支ポリープ,腺腫の摘出といつた治療上の目的から,幅広く診断上の目的に使用されるようになつたのは,肺結核の外科的療法が盛んに行なわれるようになつた時期からで,気管支病変の有無あるいは病変の程度を知ることが肺結核の外科的療法はもちろん,その治療方針を確立するために必須の検査法として登場するに至つた.
最近は,胸部外科手術の非常な進歩と共に,肺癌を始めとして肺気管支疾患全般の診断という面で,気管支鏡検査が特に重要視され,さらに全身麻酔の併用によつて,患者の負担を軽減し,診断上の精確度も向上し,安全性の上からも,外来で手軽に行なえる検査法として考えられるようになつてきた.また最近はグラスファイバーの登場により,Optic-Fiber Scopeが考案され,より高い照度を得ることにより,可視領域を拡げると共に,気管支粘膜の微細な病変も発見できるようになりさらに気管支の運動を始めとして,各種の機能的検査を,気管支内腔という場を利用して施行することも研究されるようになつてきた.
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