<解説>よくわかる大腸ESD/EMRガイドライン
偶発症
西澤 俊宏
1
,
矢作 直久
1慶応義塾大学 医学部腫瘍センター低侵襲療法研究開発部門
キーワード:
結紮
,
大腸内視鏡法
,
外科的止血
,
大腸腫瘍
,
腸穿孔
,
発生率
,
出血-術後
,
診療ガイドライン
,
治療成績
,
内視鏡的粘膜切除術
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
Keyword:
Endoscopic Mucosal Resection
,
Endoscopic Mucosal Resection
,
Colonoscopy
,
Hemostasis, Surgical
,
Ligation
,
Intestinal Perforation
,
Colorectal Neoplasms
,
Incidence
,
Practice Guidelines as Topic
,
Treatment Outcome
,
Postoperative Hemorrhage
pp.461-465
発行日 2015年9月20日
Published Date 2015/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2015380063
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大腸の内視鏡治療における代表的な偶発症は,穿孔と出血である.穿孔率は,EMRおよびESDでそれぞれ0~0.8%,2~10.7%と報告されている.後出血率では,EMRおよびESDでそれぞれ1~1.8%,0.7~7.1%と報告されている.治療中に穿孔をきたした場合は,クリップによる穿孔閉鎖を試みる.完全縫縮が可能であれば,抗生剤投与と絶飲食により手術を回避できる可能性が高くなる.また状況に応じて外科医と連携を取りながら総合的に手術適応を判断する必要がある.内視鏡治療に伴う出血に対しては,ナイフ先端あるいは止血鉗子での凝固止血やクリッピングを行う.過凝固による遅発性穿孔を避けるため,出血点に対しピンポイントで必要最低限の通電にとどめることが重要である.
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