Japanese
English
論説
逆行性椎骨動脈撮影の経験
An experience of retrograde vertebral angiography
石郷岡 隆
1
,
高杉 都三雄
1
,
高橋 敬
1
,
栗林 明弘
1
Takashi ISHIGOOKA
1
1弘前大学医学部第1外科学教室
pp.1605-1612
発行日 1966年11月20日
Published Date 1966/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204159
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はじめに
脳神経外科領域における脳血管撮影法の占める診断的価値は,周知のごとく検査手技の安全化と造影剤の発達により,ますますその重要性を増している.脳血管撮影法のうち頸動脈撮影法は,あらゆる年齢層の患者にわたり,広く一般的に施行されているが,経皮的椎骨動脈撮影法は,技術的にも困難で,ことに小児では成功率が低く,簡単に施行しえない難点がある.しかしながら,椎骨動脈撮影は,後頭蓋窩内病巣の存在が疑われる患者の診断には,最も重要な検査の1つであり,造影手技の確実性と普遍性が望まれるところである.一方1955年Gould1)は,上腕動脈を切開し,逆行性に造影するいわゆる"Brachial Cerebral An-giography"を発表している.
本邦においては,経皮的椎骨動脈撮影法が主として行なわれ,Gouldらの方法はかえりみられなかつたが,経皮法の技術的困難さと種々の副作用2)3)の出現により.近年,逆行性椎骨動脈撮影法の価値が再認識され,各所で追試されている.
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