綜説
逆行性腎静脈撮影法
高島 信治
1
Shinzi TAKASHIMA
1
1北海道大学医学部三上外科教室
1Mikami Sugrical Clinic, School of Medicine, Hokkaido University
pp.113-116
発行日 1956年2月20日
Published Date 1956/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201768
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緒言
レントゲン線の発見は医学の各分野に劃期的進歩をもたらしたことは申す迄も無いが,泌尿器科学の発展も又これに負う所甚大である.即ち1906年Voelcker,Lichtenbergは始めて造影剤による逆行性腎盂撮影を試み,1923年にはRowntree,Osborne et alに依つて静注腎盂撮影法が創始され,現在に至るも必須の診断法となつている.又泌尿器科領域に於ける腎血管撮影法は腎動脈に於ては早くから種々試みられている.1925年dosSantos1)が腰部より直接大動脈を穿刺し,造影剤を注入撮影し,腎動脈撮影法として1929年に発表している.その後O.A.Nelson2,3),F.B.Wag—ner et al等により改善普及されて来た.我が国に於ても1936年市川氏4)は股動脈の外側枝からカテーテルを挿入,これより造影剤を注入し腎動脈撮影に成功している.
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