Seldingerカテーテル法の椎骨動脈撮影への応用

THE APPLICATION OF SELDINGER'S PERCUTANEOUS CATHETERISATION TO VERTEBRAL ANGIOGRAPHY

I．緒言

　脳血管撮影は頭蓋内腫瘍，血管性病変などの頭蓋内病変の診断に必要不可欠のものとなりつつある。脳血管撮影のうち，頸動脈撮影については清水の経皮法^13）が発案されてから現在では広く行なわれるようになり，その地位が確立されたとみなすことができよう。

　これに反して，椎骨動脈撮影は椎骨動脈が深部に位するうえ，血管が細いために，頸動脈穿刺のごとく指尖または針先に感ずる拍動により，十分ねらいをつけて穿刺することができない。したがつて，初めて椎骨動脈撮影を行なつたMonizら^6）は鎖骨下動脈を露出して，これより逆行性に造影剤を椎骨動脈に送り，椎骨動脈撮影を行なつた。その後，種々の方法が諸家により報告されているが，この事実は椎骨動脈撮影の困難さを証明するものであろう。以下，それらの主なものをあげてみるとつぎのごとくである。

The application of Seldinger's percutaneous cathete-risation to vertebral angiography is reported. Odman-Ledin's radiopaque catheter is inserted from the right brachial artery, or the femoral artery. The selection and indication of these methods are discussed.