特集 手こずつた症例―私の経験した診断治療上の困難症(Ⅰ)
癒着性イレウスに伴なつた多発性高位腸瘻
斉藤 淏
1
,
天野 純治
1
1日本医科大学
pp.491-496
発行日 1962年6月20日
Published Date 1962/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202905
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広範にわたる癒着に原因している腸閉塞についで発生した腸瘻および腸狭窄を主要な病態とした1例を巡つて述べようとしているが,このような症例は決して今日の外科医にとつては珍しいものではない.またその治療に難渋し空しい努力を続けた経験を持ち合わすものも少なくはないと思う.従つてこの症例もそうした症例中のただの1例にすぎないが,何時でも役にたつこれという明快な処置方法を持たない今日の外科医の1人のなし得たことを記してみるのもなんらかの参考になろうかと考えているのである.
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