特集 手こずつた症例―私の経験した診断治療上の困難症(Ⅰ)
脳の疾患—とくに脳腫瘍
景山 直樹
1
,
菊池 晴彦
1
,
鈴木 陽一
1
1京都大学医学部外科第一講座
pp.407-412
発行日 1962年6月20日
Published Date 1962/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202894
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Ⅰ.視床下部に現われる特殊な腫瘍
視床下部あるいは視束交叉部に現われる腫瘍はいろいろあり,視力障害の外に,脳下垂体や間脳の障害症状,脳圧亢進症状等を現わしてくるものであるが,各腫瘍の現わす症候群の間には相互に多少の差異があり,それが臨床的に鑑別診断に役立つている.この部の代表的腫瘍としては下垂体腫瘍,Craniopharyngioma,鞍結節部Meningiomaが挙げられているが,これらの外にも余り人に知られていないが,案外時々遭遇するものに次のような例がある.
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