Japanese
English
症例
孤立巣を呈した骨髄腫の2症例
Plasmomyeloma as a single lesion:Report of 2 Cases
坪川 孝志
1
,
野田 暉夫
1
,
荒木 欽平
1
Takashi TSUBOKAWA
1
,
Teruo NODA
1
,
Kinpei ARAKI
1
1金沢大学医学部第一外科教室
pp.257-260
発行日 1961年3月20日
Published Date 1961/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202734
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
緒言
多発性骨髄腫は,本邦において1915年に報告されて以来,40年間に73例の報告がある4).多発性骨髄腫と組織学的に全く同一のPlasma Zellen Myelomaの形態を有しているにもかかわらず,弧立性病巣をしめす骨髄腫のあることが,1930年頃より,Geschicker3),Rutis-hauser9),Mathias6),Cutler et al1).Tennent10)等によつて,Solitary Myeloma,Plasmocytomaとして指摘されている.この弧立性骨髄腫には転移,多発化しないものがあることが注目され,多発性骨髄腫とは異つた疾患単位であると考えられたり,一方この弧立巣を切除した症例でも結局多発化,汎化をまぬがれない場合のある事実から,多発性骨髄腫の初発の状態をとらえているものであると考えられたりしている現状である.最近,私共は孤立性に発生した骨髄腫の2症例の孤立巣切除後,1例は多発化したのを経験したので,多発性骨髄腫との関係について,二三の考察を試みた.
Copyright © 1961, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.