Japanese
English
臨床経験
胸椎椎弓部より発生した孤立性骨髄腫の1例
A Case Report of a Solitary Myeloma of the Lamina of the Thoracic Spine
中島 新
1
,
高井 宏夫
1
,
加治木 秀隆
1
,
南 昌平
2
,
高橋 和久
2
,
長尾 孝一
3
Arata Nakajima
1
1栃木県厚生連石橋総合病院整形外科
2千葉大学医学部整形外科
3帝京大学市原病院病理部
1Department of Orthopedic Surgery, Ishibasi General Hospital
キーワード:
solitary myeloma
,
孤立性骨髄腫
,
lamina of the thoracic spine
,
胸椎惟弓部
,
multiple myeloma
,
多発性骨髄腫
Keyword:
solitary myeloma
,
孤立性骨髄腫
,
lamina of the thoracic spine
,
胸椎惟弓部
,
multiple myeloma
,
多発性骨髄腫
pp.923-927
発行日 1998年7月25日
Published Date 1998/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902494
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抄録:胸椎椎弓部より発生した稀な孤立性骨髄腫の1例を経験し,手術する機会を得たので報告する.症例は59歳,男性.両下肢のしびれ,冷感が主訴であったが,次第に両下肢筋力低下をきたしたため入院した.神経学的には前𦙾骨筋以下の弛緩性麻痺を呈していた.単純X線像では明らかな異常はなかったが,MRIにて第4-5胸椎の後方要素を占拠し,脊髄を後方から圧排する腫瘍塊を認めた.骨シンチでは第4-5胸椎以外に集積はなく,第5胸椎椎弓より骨生検を行ったところ,病理診断は骨髄腫であった.術前の血液,免疫電気泳動検査では明らかな異常はなかった.手術は椎弓切除と可及的広範囲な腫瘍掻爬を行った.術後は化学療法を施行したが,術後6ヵ月の時点でMRIにて第5胸椎椎体部への腫瘍の進展が明らかとなり,放射線治療を行った.本症の長期経過の中には多発性骨髄腫へ発展していく場合が多く,今後も注意深い経過観察が必要である.
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