Japanese
English
綜説
変形性脊椎症の統計的観察に就いて
A statistieal observation of Spondylosis defermans
藤井 康平
1
,
弓山 忍
1
Kouhei FUJII
1
,
Sinobu YUMIYAMA
1
1三菱病院外科
1Faculty of surgical Clinic Mitsubishi Hospital
pp.1033-1038
発行日 1957年12月20日
Published Date 1957/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202098
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緒言
変形性脊椎症は,1897年,Beneke u. Simonde等に依つて,組織学的見地から椎間軟骨前部の増殖現象を伴う一次的変性であると云われ,1928年,Schmorl u. Assmannが椎間軟骨の原発性外傷に基因する退行変性に依る一種の消耗疾患であると指摘してより,腰痛の発生機転からして所謂静力学的腰痛症として,とりあげられるに到つた.吾が国に於ても,浪越氏等に依つて,力学的負担論が高くとなえられている.私達は,最近6カ月間諸種な症状をもつて,来院して来た変形性脊椎症の患者,50例に就いてこれを検討し,次の如き諸結果を得たのでここに報告する.
変形性脊椎症の発生機転に関しては,諸家種々様々の見地から論じ,未だ確とした実験的根拠がない.それは脊柱をとりまく諸器官が,体重並びに外力に対して,単一的でなく或いは,其の力に対し防禦的に,又廻逃的に又は其の方向を変化せしめる様に,多岐多様に働いているからである.
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