--------------------
皮膚科領域に於ける非血小板減少性紫斑病に就いて—第1報 統計的観察
黒崎 嘉文
1
1東北大学医学部皮膚科教室
pp.581-583
発行日 1955年9月1日
Published Date 1955/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201492
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
非血小板減少性紫斑病の発症原因に関して現今ではアレルギー機序に基づくものとする見解が一般的に用いられている。単純性紫斑病・ロイマチス性紫斑病に就てはFrankにより毛細管系中毒症と推察され,又アレルギー性疾患と推測される多型滲出性紅斑とこれらとの合併例も屡々認められる所である。所謂Henoch氏腸性紫斑病は古くはOslerの示唆に始まり,更にGlanzman・Frankに依つてアナフイラキシー様紫斑と表現され一時反論も起つたが,Duke・Landsberger・Alexander u.Eyermann等続々食餌性発症例の報告が提出されるに至り以後アレルギーに原因が置かれている。本邦に於ては北川・高橋・山田等により本紫斑病に関する詳細な報告があるが,これらは小児科領域を中心とするものであり皮膚科領域よりは木原の19例がある。余は当科昭和10年度より29年に及ぶ20年間の非血小板減少性紫斑病患者103例に就き統計的観察を試みた。
1.性別 男子:51例,女子:52例,北川・高橋・山田等の観察では男子が圧倒的多数を占めているが,余のそれが略々同様であるのは単純性紫斑病を多数含み,且その多くが女子である為と考えられる。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.