Japanese
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綜説
胆道疾患に対するファーター氏乳頭部分的切除術と乳頭部の病理組織学的変化
Papillectomia partialis anterior and the pathohistological change of the pasilla of Vater in the biliary tract disease
槇 哲夫
1
,
福島 高文
1
,
久保 七郞
1
,
中村 豊
1
,
津島 惠輔
1
Tetsuo MAKI
1
,
Takafumi FUKUSHIMA
1
,
Shichiro KUBO
1
,
Utaka NAKAMURA
1
,
Keisuke TSUSHIMA
1
1弘前大学医学部槇外科教室
1Surgical Clinic of Prof. T. MAKI, School of Medicine, Hirosaki Universily
pp.65-73
発行日 1957年2月20日
Published Date 1957/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201929
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Ⅰ.まえおき
我国に於ては所謂無石性胆道疾患は極めて多い.そしてこれ等無石例に於ては総胆管の拡張を伴うものゝ多いことは我々のこれ迄の研究に依つて明らかにせられた.1),2),3),4)又胆石症で例え結石が胆嚢に所在する場合でも,ビリルビン石灰石に於ては総胆管の拡張が認められることの多いことも既に指摘した5).そしてこれ等胆道疾患の遠隔成績に於て,総胆管の高度拡張を伴うものが一般に胆嚢剔出後も愁訴を残し,不満例の多いことが知られて居り,このことは当教室に於ける調査成績でも同様であつた6),7).即ち我国の胆道疾患では胆嚢それ自体よりもオッヂ氏筋の異常攣縮乃至はその病変に真の原因を有しているものゝ多いことが推定出来る.然るに我国に於てはこれ等疾患の場合胆嚢剔出術に終始し,オッヂ氏筋に対する手術の企ては殆ど見られなかつた.
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