Japanese
English
綜説
胆道再建術々式について
Methods of the reconstruction of the bile duct.
鈴木 礼三郞
1
,
高村 善郞
1
,
堀野 愛雄
1
,
佐藤 吉美
1
,
原 和久
1
,
和賀井 敬吉
1
,
近衞 晃賢
1
,
竹村 進
1
Reizaburo SUZUKI
1
1東北大 桂外科
1Dep. of Surgery, Tohoku University
pp.215-234
発行日 1956年4月20日
Published Date 1956/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201789
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胆道系,殊に肝外胆道が何等かの原因に依り通過障碍を起し胆汁排出に支障を来すと黄疸が発生する.かゝる際に胆汁の消化管内流入を企図する手術が胆道再建術であり,閉塞部位の切除が同時に施行される場合もあり,又その儘放置される場合もある.
本手術の適応となる疾患は,胆道癌,ファーテル氏乳頭部癌,膵頭部癌,胃癌の膵頭部転移,良性胆道狭窄炎(炎症性,外傷性,良性腫瘍等),先天性胆道閉塞症,特発性総輸胆管拡張症,慢性硬化性膵炎の一部等であり,閉塞部肝側の総輸胆管,胆嚢,肝管の何れかを用い,胃,十二指腸,空腸に内胆汁瘻を造設するか,或は閉塞部を切除せし胆管の端々吻合により,鬱滞せる胆汁を消化管に流入せしめ閉塞性胆汁性黄疸を消失せしめるのであるが,本手術の要点は,縫合不全を絶対に起さず又,術後の狭窄を防ぎ且つ胆道系上行性感染を防止するにある.そこで吾々は現在教室で施行している膵頭十二指腸切除の際の胆道再建術々式,並びに他の2〜3の場合の術式を紹介し,併せて文献的考察を加えてみたいと思う.
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