Japanese
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特集 偶發症との救急處置
導入麻醉による長時間の呼吸停止の一治験例
A cured case of long time Apnea by Induction Anaethesia
有木 亮
1
,
黑田 忠夫
1
,
追川 孝雄
1
,
荻原 弘行
1
Ryo ARIKI
1
1日本医科大学齊藤外科教室
1Saito's Surgical Clinic Nihon medical College.
pp.743-747
発行日 1955年11月20日
Published Date 1955/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201698
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緒言
ここ数年来の本邦に於ける閉鎖式(気管内)麻酔法の普及発達は目醒ましいが,全ての麻酔法がそうである様に本法にもおおい得ない幾つかの宿命的な問題点を残している.従つて,その初期には種々の偶発事項も少なかつたようである.気管内挿管には種々の問題が伴うが日常その必要を屡々痛感する大切な手技の一つであろう.
われわれは昭和27年以来,300例以上の症例に本麻酔法を利用したが,そのうち挿管例は約200例であつて,2ヵ月の乳児から72歳の老人に及んでいる.その間に起つた挿管に伴う2,3の貴重な経験をもとにして,挿管時の麻酔法とそれに伴う合併症には,深い吟味を加えつつ今日に至つている.ここには我々が最近経験した導入時の長時間におよぶ呼吸停止の一治験例を記載し同学の士の御教示を得たく思う.
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